久々の日記。来月から大阪と和歌山で展示するため、毎日終日作業。身体が凝り固まって辛い。
昨日夕方猫どもを預けに友人宅へ。その後、kuuさんと最後の打ち合わせ。終えて出たらジャスト満月。二人で眺める。疲れ果てて帰宅。引き続き作業。猫の食べ残しを廃棄するのも勿体無いため野良猫にと外に出る。また輝くような満月。雲に虹がかかっている。地面に腰を下ろしてしばし見つめる。
今日についての記述。朝から作業の締めと雑務。終えて掃除。入浴。高速バスに乗るために家を出たが、東京駅で迷い、バスが出る時間に着く。今まさに出発したバスを全力で止める。101回目のプロポーズのような場面になってしまった。あれは確か愛の告白のために、勇気を持って体当たりでバスを止める話である。
方や私の場合、バスに乗り遅れたらまた新しくチケットを購入しなければならず、そしてそれはおそらくかなりの割高になってしまうことが容易に推測できるため、周囲の目などものともせずに、全力でバスを止めたのであった。愛のための勇気とはまるで異なる、単なる我欲である。見苦しいことこの上ない。けれども乗れて良かった。
というわけで、そのバスの中で日記を書いている。深夜バスは安いという理由もあるのだけれども、みな寝ているし静かだし早朝着いて高層ビルの最上階にあるタリーズコーヒーでお茶をするのもなかなかよいので、割と利用する。
とはいえ、バスを止めるのに全てのエネルギーを使ってしまい疲れたので就寝。目が覚めたら大阪だ。
来月コラボ展示するkuuさんが主催する茜染めの会へ。使わない白い麻ボトムや、白い手編みの靴下を持って行く。真っ盛りに赤い、紅葉のような色に染め上がる。物々交換で檸檬柄のお皿と、母親の手編みらしいライトグレーの毛糸の帽子をもらう。
夜、雌猫おろちが外出欲のため網戸を破壊。先月張り替えたばかりの網戸を破壊。張り替えに時間とお金をかなり費やしたのに、破壊。おぉぉろぉちぃぃと怒鳴ると一目散に逃走。とっ捕まえて、首を掴むとゴロゴロ喉を鳴らしている。
因みに猫の喉鳴らしは機嫌がよいということの他にも、相手への服従心の表れの場合もあるらしい。機嫌がよいとすれば変態であるし、服従心だとすれば全く信念が無い。どちらにしても、うすら寒い気持ちである。そんな私に首を掴まれながらも、目を閉じて喉鳴らしを続けている。
そんなこんなで疲れたので、今夜は早めに就寝。いい月であった。
ひたすら籠って作業の日々。
だいたい朝8〜9時の間に起床し、家事や猫と植物の世話をして10〜11時から作業開始、夜中0時くらいまで続ける。深夜までやることも。
作業期間は食欲が低下し、食生活も変わる。毎日殆ど同じ内容の食事。自分にとって最も基本的で簡潔な食事である。作業中はコーヒーとレーズンチョコ。その食生活が約一カ月続く。食に知能を殆ど使わなくなる。
友人に腰回りの気の流れが良くないと言われ、積極的に腰の運動。作業中は身体のメンテナンスに注意するようになる。同じ体勢で長時間過ごすため、身体が硬くなるのを防ぐためにマメにストレッチをするようになる。
外出しないので、お金も殆ど使わない。制作のこと以外考えないので、ストレスによる顎痛も無い。猫がいるから、寂しさも無い。人と会うのは好きだけれども、もともと孤独は嫌いではない。
つまるところ、私は体調も精神状態も作業期間が最も良い。ということに、今日気づいた。
テレビ番組で台湾の彩虹村という小さな集落を一人でコツコツ村の壁や道に絵を描き広げたおじいさんの話。今は観光地に。絵も素晴らしい。私もこういう感じがいい。
今日は作業も捗ったし、筒井康隆を読みつつ安心して就寝。
朝から池袋へ出向く。歯科矯正の定期健診。顎が痛い旨伝えて、マウスピースつけることに。顎の使いすぎとのこと。どういうことなのかさっぱりわからない。多分ストレスによることなのだろう。私はストレスに弱い。怠けきれぬ怠け者であるので、いつもクヨクヨネトネトしている。半端という言葉が最も私に相応しい気がする。と、こんなことを日記に書いている事が何より半端である。
時間が空いたので久しぶりにブックオフへ。筒井康隆などを5冊購入。楽しみ。
バス停の列で、30センチの隙間が許せない女の人。カツラのように額の生え際が整いすぎているかわいい歯科衛生士さん。丁寧に順番を譲ってくれた男子学生。誰にも聞かれないまま立ち尽くしている案内インフォメーションの女の子。街はカオスだ。
夜ベランダでぼうとしていたら、暗闇に黒猫。一瞬立ち止まってこちらを見上げているようだ。目が合った。気がした。何かのタイミングが通り過ぎたような気がした。それが何かはわからないけれども。
午前中は掃除。午後から作業。ちっとも捗らず。やる気も出ない。日向で惰眠している猫どもと昼寝。
夕方から赤坂で「ラポールと身体知」の高石宏輔さんのワークショップに行く。4時間と長丁場。参加者は私以外みな男性で意外だなと思ったけれども、よく考えたら高石さんはナンパ術から有名になった人なので、意外なのは私の方だったようだ。内容は同調や緊張などを体感し、意識的になることでよいコミュニケーションを発生させようというもの。言葉にすると簡単で安直だけれども、とても繊細さを必要とするものだった。人と話をする時、調子を合わせることのみをするということ。当たり前のことのようだが、「のみ」のところが重要。
最近やたら眠いしお腹が空く。身体のあちこちが痛むし、よく夢も見る。冬に向けた変化なのか。どちらにせよ、快適な状態ではない。
展示の打ち上げを催していただく。今私は酔っているままに書いている。個人的な日記であるから、それでよいのだ。後で読み返したらきっと後悔するのだろうけれども、それでもよいのだ。
私は何年もずっと意識の片隅に在ることを、突き付けられることが最近多い。今はスピード感が大切な気がする。不意に意識上に上がってきたことは、その瞬間に向き合う必要があるような気がする。私はそれを気付いていながらも先延ばしにしていたから、極まってしまう。煮詰まる。
クレバーな人に、それを指摘されてしまう。もういい加減に、人を巻き込むことで頼るのではなくて、自身で解決する必要がある。そうでなければ、同じことの繰り返しだ。追い詰められなければ向き合わない自分の性質を変えなければならない。
あー酔ってこんなことを公開してしまって、明日はアイタタターと思うに違いないけれども、個人の日記だからいいのだ。
酔いながらも、突き詰めることを決意する。私は何をするのか。
お仕舞い。